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検査・診断方法の種類

現在の関節リウマチ診断は多角的かつ総合的に行われます。
また、早期診断のためには、患者さんの早期受診が欠かせません。関節の腫れや痛みに気づいたら、我慢をせずにまずは専門医など、医療機関を受診することをおすすめします。

血液検査で調べる主な項目

血清リウマトイド因子

リウマトイド因子とは、自分の細胞や組織を抗原とみなして反応(攻撃)する自己抗体で、関節リウマチの患者さんの約70%がこの検査で陽性を示します。ただし、健康な方や他の病気でも陽性になるので、陽性であっても必ずしも、関節リウマチというわけではありません。

抗CCP抗体

リウマトイド因子よりも特異性の高い自己抗体です。この検査が陽性の場合、90%以上の確率で関節リウマチと診断されます。また、発症前から陽性を示すこともあるので、関節リウマチの早期診断に非常に有用です。

赤沈(ESR)

主に炎症を伴う病気の有無や程度を調べる検査で、赤血球が試験管内を沈んでいく速度を測ります。正常値は、1時間で男性が10mm以下、女性が20mm以下で、関節リウマチが悪化すると、沈降速度が速くなっていきます。

CRP

CRPとは体内に炎症や細胞組織の損傷がある時などに、肝臓で産生されるタンパク質です。正常値は0.3mg/dL以下で、関節リウマチや感染症など、炎症の程度に比例して数値が高くなります。

MMP‒3

MMP‒3は軟骨などを破壊する代表的な分解酵素です。関節の炎症がひどくなると、血中の濃度が上昇します。このため、生物学的製剤などの薬物治療の効果判定や関節破壊の指標として役立ちます。

画像診断について

単純X線検査

関節リウマチが進行し、滑膜の炎症が骨に及ぶと、骨が虫食いのように欠ける 「骨びらん」や、関節の隙間が狭くなり関節が動かなくなる「強直」などの状態に至ります。単純X線検査はこのようにある程度症状が進行した状態の評価・確認をするのに適しています。

単純X線写真

左手。第III指、第IV 指MP関節(指のつけ根の関節)を含め、骨びらんを多数認める。手根骨、第II指、第III指PIP 関節(第2関節)を中心に骨性強直も認める。

MRI検査

単純X線では発見できないような、小さな骨びらんや骨や滑膜の炎症、増殖の状態を詳しくリアルタイムで観察することが可能で、早期のリウマチの診断や評価に非常に有用です。ただし、検査費用が高く、MRIを導入している医療機関も限られているというデメリットがあります。

MRI画像

左ひざ関節、脂肪抑制造影T1強調冠状断像。 ひざ関節外側に強く増強される炎症性滑膜(矢印)を認め、骨侵食も認める。

関節超音波検査(関節エコー)

MRIと同様に骨や滑膜の炎症などの詳細な状態をリアルタイムで観察できるため、 リウマチの早期診断に使用されます。患者さんへの身体的な負担も少なく、比較的安価で検査を受けられるメリットがあります。一方で、機器の操作をする術者の熟練度などによって検査精度が変わる場合があるとも言われています。

関節超音波検査画像

右第III指MP関節、パワードップラー法。関節腔内に異常血流シグナルを認める。